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t h i n k f o r m e 

 

3年前のカレーメイソンで10年ぶりに再会して、その後も

インスタグラマーとしても有名な、世良さんのセミナーでも会えたりと

シンクフォルムの倉田さんは、アグレッシブでお洒落なデザイナーだ。

 

この秋に引っ越しされて( といっても同じビルの9階に. 笑 )

自宅に新しく事務所を開設したので、無理言って取材させてもらった。

 

thinkforme-design.com

instagram.com/miyukikurata32/

 

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ミニマルで飾り気のない空間に、ドライでグレーなデザインの什器。

唯一アンティークのテーブルが、違和感もありながら

バランスをとっている。

 

 

 

 

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そのコーナーに彼女が納まると、自然としっくりくるというか

シンプルなレイアウトも、よく考慮されているのがわかる。

それにしても相変わらず、色味のないモノトーンの服装なのに

華があるというか、この人はかわいい. 笑

 

先日の blogには、パーソナルティのことまで丁寧に載せていて

セルフプロデュースについても提案されていた。

この blog、以前から読んでいるけど わかりやすいし、笑いやネタも

ちょくちょく挟んでくる。根っからのサービス精神が強い、

尽くす人だから. 笑

 

倉田さんを知らない人でも思わずクスッとなる、

このプロフィールは必見です。

 

 

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なんとカーヴド ディスプレイを使ってる。WEBデザイナーとか

これが増えてるみたいだけど、これはこれで使い勝手いいかも?

 

 

 

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月並みだけどデザイナーとしての、これからのビジョンなど

いろいろ聞いてみた。

シンクフォルムの HPを見ればわかるけど、主な仕事として

まずはグラフィックデザイン、WEBデザイン、イラストレーター、

絵本の制作まで。最近では Ai(Adobeイラストレーター)の

個人向けセミナーも開いている。それに新婚の旦那さんと、

仕事でもコラボしてデザインしている。

なんてアクティブな奥様だなぁ。身近に要望されると、

チャレンジしたくなる気質があるみたい。

 

それと特筆したいことがある、

倉田さんは飲食業に精通したデザイナーだということ。

広島では私以外ではオリさん( オリシゲシュウジ )以来かな。

業界のことがほんとよくわかってるなと思った。

彼女はペンギングラフィックスを退社した後、しばらくデザインの

職から離れている。スターバックスで働いていたところ、

あの「商業藝術」貞廣さんにスカウトされて、同グループの飲食店や

ブライダル事業のグラフィックデザイン部門で鍛えられたらしい。

なんせ貞廣さんだし、そのたいへんさは容易に理解できる。

 

飲食業界・風の噂で商業藝術にいると聞いてたので

またいつか会ってみたいなと、ずっと思ってた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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途 〜 み ち 〜

t h e   o n e 's   l i f e

 

これは彼女がまだ学生の頃、インターン先のペンギングラフィックス

制作した絵本。表紙の startから伸びた水色の線が、ページ毎に形を変え

それが人生の途( みちすじ )を表現している。

しかもすべて一筆書きで、短いコピーもレイアウトも秀逸。一本の線が

ページを跨いでendへと向かう。

一見とてもシンプルで簡易に作っているように見える、でも

デザイナーとしての見識で観れば、これはとても欲張った作品で

学生だった彼女のピュアな感性と、ペンギン中村さんのアドバイスが

見事に結実した一冊だと言える。

 

初めて見たのはインターンが終わり、絵図屋に見学に来た時だったから

15年ぶり? 今見てもこのサイズに集約された、完成度の高さに感動した。

これを見るために、自宅までお邪魔させてもらったのだと思った。

 

 

 

 

 

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1時間で切りあげるつもりが、またまた長時間だべってしまった。

ちょうど旦那さんが帰宅されたので、すみませんおじゃましました。

姉さん女房ながら、彼と並ぶと妙にデレッとしている. 笑

しあわせそうでなによりです。

 

 

 

 

 

 

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研究所のドアを開けると、超リアルな 50㎝ぐらいのジョーカーがお出迎え。

数有るジョーカー史上、最高傑作だったダークナイト。

この研究所の主人と どこかしら共通点を感じる。

 

 

 

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しかも足元に注目. 笑 大切なものは細部に宿る。

 

 

 

 

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AFROG DESIGN UNIT

MASARU YAMAMOTO

 

 AFROG「 ヤマモトマサル 」  彼と初めて会ったのはもう 8年前、

ギャラリー yo-haku( ヨハク )にて。こけらおとしの展示会に

いっしょに参加した時だった。

当時はマルチクリエイターという肩書きだったが、まさに多才、

WEB デザイン、制作までを主な生業にしているが、やはり特筆すべきは

フォトグラファーとしてのヤマモトさんだった。

 

2013年、yo-hakuで開催した 個展「 NO MATTER × UK 」は

静かに、衝撃的だった。

仕事柄、広島でも多くのカメラマンを知ってるけど

こんなアーティスティックな撮影できる人が いたんだなと。

センスよく会場まるごとコーディネイトしていて、そこに最高レベルの

プリントで、とにかく写真を観せる。一般的な写真家がする個展とは

一線を画すものだった。

とても繊細な現像処理をした作品はどれも、モニターでそれなりの

解像度で観てもいいものだろうけど、やっぱり写真は

プリントしてナンボだな、と改めて気づかされた。

 

NO MATTER × UK 

uk.afrog.jp

 

 

 

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そんなこんなで彼のファンになって(向こうは気持ちわりーだろうけど. 笑)

密かに SNSなどマメにチェックしてたら、とにかく粋な男でセンスいい。

才能もだけど、仕事でもARTでも趣味でも、とことん深掘りしているし

ちょっとし過ぎなぐらいなのに、バランスよく収まってる。

撮った写真とパーソナルティが ぴたっと重なる感じ。

 

ところがこの 2年ぐらい?インスタにも HPにも写真を載せなくなった。

新しいアカウントでもとったかな? ちょっと悶々としていた。

ヤマモトロスは長く、意外と効いていた. 笑

 

MARU-ch.

instagram.com/afrog/

 

 

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strawberryflog LAB

 

新しい事務所は八丁堀三越の正面側、ミスドの前の古い雑居ビルに

#苺蛙研究所という屋号らしい。 以前の名称は AFLOGで

アフロヘアとフロッグ(カエル)を掛け合わせたと聞いたけど、

カエルがモチーフなってるのが 勝手ながら親近感を覚える。

私の事務所は 2年前までカエルだらけ、知人から頂いたカエルの

置物やグッズを 50匹以上、至る所に飾っていた。

一昨年に選抜して 今表にいるのは24匹、大人しく配置している。

 

脱線したけど、さて「 苺蛙研究所 」とはまたヤマモトさんらしい、

ユニークな屋号にしたもんだな。もう興味しか湧かない。

 

 

 

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そしてこの春ぐらいかな、ツイッターとインスタのストーリーズで

断片的な動画が上がってきて、復活? どうやらこれは事務所を

開いたのかな? 研究所って… とまぁ、これはどうにかして

会いたい、できれば研究所に伺いたい〜と、アポどり法を模索してたら

カレーメイソンの K-COさんが タイムリーにアクセスしてくれて

念いは通じる もんね、グラマラスな K-COさんに感謝。笑

 

 
 

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久しぶりのヤマモトさん。なんか会うたび印象が変わる。

初めて会った時は着物で来たからね。ハットもよく似合ってたし。

クリエイターで着物、着こなすなんて 羨ましいなぁ。

 
 
 
 

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SNSでよく上がっていたカフェコーナー。エスプレッソマシンは

ASCASO、セレクト渋い。こいつは扱いにくいやつだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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豆から挽いて、とても丁寧に一杯を淹れる。

 

 

 

 

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これは美味しい… 好みの味わいだ、香りがいい。見た目より深い。

今年飲んだアイスコーヒーでは暫定 1位。

 

 

 

 

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するとおもむろにヤマモトさんがミルクを持ち出した、しかも木次! 

これはうれしい〜 ブラックもいいけど、カフェオレは別格なんだよね。

ここからたっぷりとラテに味変。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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さて一息ついてから いろいろ質問攻め. 笑 コロナ禍で今日までの

仕事のことや、この研究所を起こした流れ、その屋号の由来とか etc. 

なにを聞いても躊躇なく、的確に返してくれる。

 

 

 

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特に気になっていたのは、ここでなにを研究しようとしているのか。

すると話しながら おもむろに立ち上がって、ホワイトボードに向かい

わかりやすくチャートにして解説してくれた。 

彼は 2つの専門学校講師をもしてたので、これはもう ちょっとした

セミナーだったね。

 

 

 

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このあとボードにはテキストがびっしりと書き込まれていく。

これまでのいきさつ〜これからの推測、内に宿す 心理的な背景も

織り交ぜながら、フローチャートを組み立てて見せた。

 

具体的にはこの研究所としてのビジョンなんだけど、これが今の私には

とてもタイムリーなレクチャーになった。大きな気づきがあったので

ありがたいなぁ。なので、ここでその内容までは載せれないね。

 

 

 

 

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そんなこんなで 2時間半、長居はすまいと決めて来たけど

こちらが勝手に熱が上がってしまい、会話が止まらない。

めんぼくない。 とにかく

まだまだ「 ヤマモトマサル 」からは目が離せない。

 

 

 

 

 

 

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写真はがんばって撮っても、彼にはボロがバレるので

ここに入ってすぐ、何も考えずに軽くシャッターを押した。

 

帰って現像してみると

このエヴァ弐号機のが 唯一のお気に入り。

 

 

 

 

 

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DESIGN  OFFICE  KAWAHARA

 

広島の女性グラフィックデザイナーの草分けであり、現在は

カリグラフィー( 書 )作家としても有名な 川原さん。

私が 1990年から 6年半 在籍していた「 デザイン オフィス カワハラ 」で

なんと 70代半ばを過ぎても、現役でデザインもされている。

 

1996年から作家としての活動にシフト、初めての個展は忘れもしない

米国ニューヨークの TORAYAにて( 虎屋ギャラリー 1993〜2003 )

最近ではやっぱり 一昨年の個展がインパクトあったなぁ。

 

nov-kawahara.jp

 

 

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先日、紫陽花を届けた時に お会いできなかったので、この日は再訪問にて。

長く続けられている blogも欠かさずチェックしているので、想定通り、

月末の個展に合わせ、製作に追われていた。

 

 

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作品に合わせて、多くの和紙や箔押し紙を使用する。

箔押しはもちろん「 歴清社 」で、川原さんとは先代さんからの

長いお付き合いになる。

 

rekiseisha.com

 

 

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タペストリーには日本の野草や野花が描かれていた。

よく見たら全く同じ絵が、なんとこれプリントなんですね。

こんな麻生地に、これだけきれいに表現できるって すごいなぁ。

プリントなら手入れも楽だし、お求めやすい価格かも?

 

 

 

 

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SUPER×SUPER Bloom 2021

記憶と共に咲く20年分の花

 

もちろん個展の案内もいただいた。

福屋季節袋 20周年記念としての EXHIBITIONになる。

昨年は東京フォーシーズンズホテルロビーの天井ARTを手掛け、

青山での個展を開催した。

広島では 2年ぶりの個展、福屋のデザインを手掛けてきた 

20年分の季節袋を記念にした商品と、最新の「 銀焼き箔絵 」など

展示する。

 

 7月29日 木曜日〜8月4日 水曜日まで  福屋八丁堀店 7階

 

 

 

 

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朝顔と向日葵のプリントを施したエプロン。お揃いのデザインで

Tシャツも販売する。

 

 

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お茶目な川原さんに よく似合ってる。笑

 

 

 

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広いアトリエが画材やら作品やらで、脚の踏み場もないぐらい。

25年前を彷彿と指せる 1枚。

小さな川原さんが、より小さく見える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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なんて懐かしい「 一 生 」の書。まだ初期の作品で書家っぽい一枚。

以前の事務所はタイル張りの床で、そこに膝をついて

毎日のように書いていた。

 

25年前、なぜアーティストに転身しようとするのか…

当時勤めていた T先輩と私には、まったく理解できなかったけど

今、やっとわかる気がする。

 

 

 

 

 

 

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絵図屋事務所の、一番落ち着いて見れる場所に「 生 」の書がある。

退職の時に 無理やり頂いた 1枚。

 

 

 

二度とない人生だから。

 

 

 

 

 

 

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日 月 HIZKI

 

独立する前に務めていた カワハラで、上司だった T先輩が退社して

転職したのが、広告制作会社の NAM( 南無・ナム )だった。

そのころから NAMは、飛ぶ鳥を落とす勢いで大きくなっていった。

そして 6年ほど経って NAMは分裂する。

その一社が現在の「 ニューズ アンド コミニュケーションズ 」であり

代表で会長の佐々木さんは、私が二十歳のころお世話になった、

広島を代表するアートディレクターだった。

そして NAMに残ったメンバーで 後に設立した制作会社が

この手だけ写真の経営者、下地さんが率いる「 日月・ヒヅキ 」だ。

T先輩と同じく? 以前からシャイな下地さんも顔出しNG。

まぁこの手だけの 1枚でもそのお人柄は、充分に伝わるだろう。

 

 

とは言っても、面と向かって下地さんに会うのは、H-ADC以来

12年ぶり? あの懐かしい財津和夫か細野晴臣のような

( あくまでも個人的な見解。)柔らかい印象の眼差しを

思い出しながら、オフィスに向かうと…

まったく20年ぐらい昔のまんまの、下地さんが現れた. 笑

もちろんシワと白髪は増えてたけど、なんてゆうの?とにかく

若々しく変わってない。納島さんもだけど もうすぐ還暦とは

とても見えないのよね。それもうらやましい。

いつもの柔らかい物腰で、私のような はみ出し者にも

謙虚に接してくれる。それにやっぱり T先輩にどこか

似ているのよね。下地さんは同じ大学の先輩だったらしいけど。

とはいえ T先輩が NAMにいた頃、彼に下地さんのことを聞くと

「 仕事の鬼じゃ。デザインバカ。」って言ってたのを、今でも

よく覚えている. 笑 物腰は柔らかくても、仕事となると

とことんストイックになるのは よく聞いていた。

 

 

さて、脱線したけど本題へ。

昨年、私は独立して 22年、事務所を開いて 20年になった。

20周年でちょっと個展とか企んでたことが、コロナ禍で何もできず

スタッフも 4月で辞めて… さすが行き当たりばったりの自分でも

これはきりがいいから、ここでいったん事務所は畳んで出直しかな?と

安易な方向へと悩んでた。

そんな頃、急にふとしたことから広告業界の先輩方は今、

どうしているのかなぁと 無性に気になっていた。

この「 ひろしまデザインびと 」で上げているペンギン中村さん

他にもいろんな人を思い出して、なぜか年上の人たちばかりが

浮かんでは、会ってみたくて仕方ない。頭下げてご教示願いたいとか

そんな会いたい人の中で 一番、接点がなくて遠い人が

この 下地さんだった。

コロナが落ち着いたらと思い年が明け、ちょうど T先輩から滅多にない

メールがあり、日月の松浦さんから 4、5年に 1度しかない お仕事の

相談メールが来て、運よくアポが取れたしだいで. 笑 

とはいえさすがに厚かましい自分でも、下地さんに会うのは緊張した。

なのに以前のまんまの印象で迎えていただき、感謝しかない。

 

 

まずは、そんな「 日月 」の発足の話から聞いて、月並みな話題に

なりながら、やっぱり現状のお仕事やこれからの方向性など

率直に聞いてみた。特にグラフィックデザインという仕事について、

これからどう関わっていくのか。

下地さんは終始、ほとんど変わらない表情で

「 そうだよね〜きびいしいよね〜 」

「 うちもどうしようか〜考えんといけん〜 」

もちろん八丁堀ど真ん中のオフィスビルで、10人のスタッフを抱える

リーダーだから、厳しく先を見据えているのは私でもわかる。

でもなんだろう〜 昔から変わらない静かでクールな眼差し。

いつも不思議な余裕を感じるんだよね。

まぁ私など相手に腹割って、話すことでもないだろうけど. 笑

 

それよりもちょっとうれしかったのは、下地さんは経営者だけど

今も現役のデザイナーで、毎日ちゃんとデザインしているということ。

そこで失礼ながら、いつまでやる気なんですか?と投げてみたら

「 とにかく手を動かしているのが好きなんよ。たのしいのよ。」

しかもずっと続けていても、まったく苦にならないそうだ。

当然デザイナーをやめる気もないし、嫌にもならない。

だから仕事をする=デザインをすることなので、手が動く限り

デザイナーであり続けるのだろう。

下地さんもやっぱり生粋のクリエイターなんだな。

たしか T先輩も昔、同じようなこと言ってたなぁ。

 

 

 

 

NAMから日月へとシフトして 17年。

このまま20周年 30周年を迎え、いつの日か下地さんが

もうデザイン、辞めたんよ〜という日が来るんだろうか。

 

 

 

追伸 検索してたらなんと日月の HPを発見。下地さん曰く

「 作ったんだけど、あれもなんとかせんといけん〜 」

当時のいきさつとか、なんとなく想像できるだけに

このページを見てたらなんとなく、NAMを思い出した. 笑

 

hizki.co.jp

 

 

 

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i a i  infomation architect ism

 

愛媛の熊福さんとズームを使って HPの更新打ち合わせ。

でもやっぱりなかなか上手くはいかず〜 けっきょく藤本くん

力業でなんとかしてもらった. 笑

 

iaiweb.co.jp

 

 

 

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ここはもと、あの「ひろしまジン大学」の事務所だった。

普通のかなり古い事務所物件を、ハイフンデザインの草本さんが

設計・リノベして、格安でエコな WEB OFFICEに仕上げた。

やっぱり草本さん、妥協と無駄の一切無いデザインクオリティ〜

藤本くんにはもったいない. 笑

 

jindai.hiroshima.jp

hyphen.cc

 

 

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もう 18年来のお付き合いだろうか。仕事でお世話になってから

たぶん 15年〜 彼はエンジニアであって、デザイナーとか

クリエイターってタイプではない。

でもデザインはできなくても、広島の WEBクリエイターのために

業界では有名なセミナーやイベントを主催したり、専門学校や

訓練校の講師も続けている。手前弁当でボランティアしながら

広島WEB業界をデザイ二ングしていた。

 

 

 

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寺町に引っ越してちょうど 1年。オリーヴも大きくなったね。

やっぱり経営はたいへんそうだけど、多くのクライアントと

広島クリエイターのために、ここからまた ふんばってくれ。

 

 

 

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孤高の先輩 designer

 

広島のグラフィックデザイナーといえば 私にとって

この人抜きでは語れない。以前務めていた デザインオフィスカワハラ

上司だった T先輩である。

( 身体はデカいけどシャイな本人の希望で、氏名非公開. 笑 )

この写真は、彼の今年の年賀状の画像で、個人的にもとても

お気に入りなので、頼み込んで送ってもらった。

おそらく自宅の極小事務所を、彼自身が撮影したものだろう。

PC画面には今年の干支の「丑」で、洒落の効いたご時世ネタの

キャッチコピーを一行だけ入れていた。先輩らしいデザインだ。

 

 

さてここで彼の、カワハラ時代のエピソードを私が綴ると

途方もない文量になるし、また先輩にキレられそうなので… 笑

それに彼にとって過去はもう、ほとんど意味がないものらしい。

以前、カワハラ〜 NAM時代の仕事・作品もすべて処分したと

聞いたことがある。 人生は常に上書き保存する人なのだ。

 

 

でもね、それでもクリエイター・グラフィックデザイナーとして

彼は凄かった。 カワハラ時代の 5年とその後の NAM時代しか

知らないけど、一般のデザイナーや業界人ではとても理解できない

「域」にいたね。

ちなみに広島のデザイナーで、初めて Mac(Apple Macintosh)を

購入したのは、故 縄田先生(と自負されていた)だけど、たしか

2人目がこの先輩だった。当時、ちょっとした乗用車が買える額を

自腹で購入して、すべて独学でマスターしていった。

広島の印刷屋が DTPを扱えるようになったのは、

それから何年後だっただろうか。

 

 

先日、TVで宮崎駿さんが、エヴァンゲリオンの庵野監督のことを

「 庵野は命を削って映画を創る。」と言っていた。

私が知り合った中で、命を削ってまで仕事、デザインをしているなと

思った人は 2人しかいない。 ペンギングラフィックスの中村さんと

この頃の T先輩だ。この 2人は仕事で確実に寿命を縮めている。

 

 

それにしてもあの川原時代、自分もよく 6年もクビにならず

務めさせてもらえたなと思う。

超感覚的に、非の打ち所もないデザインを組む川原先生と

常にウイットなアイディアを構築してから、コツコツ時間をかけて

仕上げていく T先輩。どこをとっても真逆な、水と油のような 2人が

バブルもちょっとかぶって、次々と大きな仕事をこなしていた。

2人のデザイン力、仕事への意気込みが凄すぎて、入社してすぐ

自分の居り場がないなと思ったけど、幸い MARIOの出店仕事が増え

先輩の手伝いもしながら、なんとか続けられた感じ。

 

 

川原先生のデザインは、彼女なりのルールがあるようでない。

真似したり、アシストするのがとても難しくて諦めたけど

頭のいい T先輩はリクルートの仕事が多く、エディトリアルや

ページものを驚異的にこなしていたので、一緒に仕事していても

とても学ぶことが多かった。

 

 

T先輩が処分したという当時の仕事の作品も、

私がいくつかは所有している。今の時代では予算的にも、

コンプライアンス的にも実現できないと思う、印刷物もある。

四半世紀は経った今でも、隣の机で嘆きながらデザインしていた

彼の大きな背中を思い出せる。

 

 

 

 

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これはこの 2月に別件でメールが来た時、送られてきた画像。

本番前のテスト撮影かな、ほんとに狭いのがよくわかる。

計らずしも椅子に座れば、立たなくてもだいたいのことができる.笑

必然的に合理的になったのだろう。身体はデカいけど猫みたいな人だから

やっぱりこの狭さが居心地いいんだろう。

 

これ見てすぐウケたのは、椅子に掛けてあるセーターが

カワハラにいた頃の 25年は前のものじゃ!ということと、

アーロンチェアの左の膝掛けが外してあること。

この超合理的なデザイン室に、きっと著しく邪魔だったのね。

それを外すまでの経緯というか、流れが安易に想像できるだけに

笑いが込み上げてきて仕方なかった。T先輩らし過ぎて。

 

 

時が流れても、人の良いところというか

核になる個性というものは、変わらないんだなと想った。

 

 

 

 

 

 

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ANCHOR'S

LOCAL DESIGN LABO

地域デザイン研究所 

 

先日のペンギングラフィックスへ訪問したとき、奥様から

納島さんとこは行ったの?と聞かれて、なんでも市立大学内の

教授部屋がすごくよかったと 写真を見せてもらった。

 

納島さんといえば 牛田の事務所も移転して、昨年から市立大学の

芸術学部デザイン工芸学科の教授になられた。

一昨年は私も同学科を見学させてもらったけど、まぁ以前のように

おいそれとは行かれないなぁ〜と思っていたので、

これはさっそくアポとって再会。

 

vcd.art.hiroshima-cu.ac.jp

local-design-labo.com

 

 

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教授部屋といっても、完全に納島さんのデザイン事務所状態. 笑 

インテリアもすべて私物だとか。

 

 

 

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この大きなポスターを見ると、あの寺町のROCKETSを思い出す。

どことなく納島さんを象徴するかのような、メトロポリス。

 

 

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これまた彼らしい、ベースと渋い防湿庫が違和感なく鎮座. 笑

 

 

 

 

 

 

 

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御大自らじっくりと、美味しい珈琲を淹れていただく。

 

 

 

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ご無沙汰でした。やはりここは教授と呼ぶべきでしょうか. 笑

昨年は「 地域デザイン研究所 」代表を清水さんへ継承し、市立大学へ。

同時にコロナ禍で就任早々、リモート授業と まさに目紛しい

たいへんな 1年だったらしい。

 

 

 

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さて さっそくながら教授を質問攻め. 笑 昨年から近況までを

話されたけど、やはりこれからのグラフィックデザイナーって

どうなる? どうあるべきか、聞いてみたかった。

 

コロナ禍で広告業も、特にイベントや印刷媒体を主とする仕事は

とても厳しいと思う。先日のPG中村さんからもペーパーレスの

話が出たように、コロナが落ち着いてもこの流れは変わらないだろう。

なんせ凸版がTV CM 出す時代だからね、うちは印刷だけじゃねぇって. 笑  

それはローカルな印刷屋でも同じことだ(昔、印刷屋と呼ぶと怒る

印刷会社の社長がいたなぁ. 笑)すでに印刷だけでなく 企画からデザイン、

IT 関連にまでこなし、ブランディングを軸にシフトしている。

 

また世間やクライアントから デザインが大事、ブランディングが

重要と やたら言われるようになったけど、その反面、

デザイン業における対価は、確実に下がっている気がする。

理由はわからなくもない、でもなんか腑に落ちないのよね。

 

印刷やデザインの需要が減っても、WEB制作や IT関連はずっと

右肩上がりで伸びている。アイエーアイ(株)藤本くんも昨年は

多忙極まり、個人事務所を会社にしてスタッフを増やした。

 

 

 

そんな時代に納島さんは、

未来のデザイナーを育てる仕事に就いた。それは今まで続けてきた、

安田女子大学や穴吹デザイン専門学校での講師とは、

一線を画すのだろう。彼が言っていたのは

 

「 これからのデザイナーは、デザインしかできないではダメだろう。

  そこに関わる、いろんな仕事もできるようにする。

  そのためには 知識が必要。」

 

自分の会社を譲り、安田も辞めて教育にかける。

還暦に決意した航海はスタートから荒波だけど、楽しみしかない。

 

今は手探りでも、前へ進むしかないじゃろ!と言ってたけど

その割には来年かな? 大きなネタを仕込んでいて ワクワクしてた。

 

やっぱり彼は生粋のグラフィックデザイナーだった. 笑

 

 

 

 

 

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教授になったとはいえ、いつまでもプレイヤーであるために。

講義の告知 PRポスターを週に1枚、デザインすることを

自らに課した。この「 原始のデザイン的行為 」が 1枚目で

入り口に貼リだし生徒にアピール。

 

 

 

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1年生の講義、デザイン概論のカリキュラム。

このポスターは「 ルネッサンス、ダヴィンチの時代 」へと。

 

 

 

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そして「 ウイリアムモリス、アーツアンドクラフト運動 」へ、

どちらかというと世界史の講義みたいね. 笑

 

 

 

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週に1枚と言いつつも、すでに次の「 アールヌーヴォー 」そのまた

次の「 アールデコ 」まで、デザインはもうできているらしい。

仕事でもなんでも、やると決めたら めちゃ早いのは相変らずだ。笑

 

 

 

 

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ここで話を聞いていると、気がつけば講義を受けているようだ。

しかもタダで. 笑 納島さんとサシで話すのは、

ほんと勉強になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

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部屋の窓際には、とても有機的なフォルムのアクアリウムが

目を引く。納島さんが仕込んだもので、バランスがよく

いい感じに安定している。グリーンの配置がさすがですね。

 

こうしてアクアリウムの話を 2人でしていると、もう 12年前に

ボトルビオトープの販売用 ラベルデザインをしてもらったの、

思い出す。私ではまずできない、ベーシックで秀逸なデザインを

なんか簡単にしちゃうのよ。

なんてゆうか作業時間のかかる、緻密で途方もないデザインでは

ないけど、Macを触れば いつの間にか組んじゃってたような. 笑

 

そんな絶妙なバランス感覚でデザインができる人。

じゃないかなって推測する. 笑

 

 

 

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そんなこんなでこの、お土産のペットボトル・ビオトープも

センスのいいボトルに 替えてくれるそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

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ここでおもむろに、懐かしいフィルム一眼レフを出してきた。

フィルムカメラの名機、Nikon F。なんとあの

縄田先生の形見らしい。亡くなる少し前に頂いたとか。

シャッターも非常にキレがよく、先生が大事にしてたのがわかる。

 

 

 

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先日モノクロで撮影する機会があり、そうなるとついつい

カメラ談義に突入する。以前から何度話しても

彼のカメラネタは楽しくて尽きない。

 

 

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やはり納島さんといえばライカやコンタックス、ローライといった

クラシックカメラだろう。とても手の届かない、気難しい名機たち。

他にも珍しいクラシックカメラのコレクションも多数あり、

またその知識も豊富だ。

一緒に撮影とか同行させてもらったりしてたなぁ。

 

 

 

 

 

 

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デザインを語る納島さんもいいが、カメラや趣味の話をしている時の

表情は、60過ぎても昔のまんまだった。

 

ビートルズをこよなく愛し、ベースギターを続けている。

フライフィッシングもタイイングからこなし、古いキャンプ道具を

積んで一人で山へ入る。 

どの小物ひとつとっても、その意匠へのこだわりに妥協がない。

 

センスのいい生きかた = 彼のライフワークそのものがすべて

デザインとリンクしているんだろう。

 

 

 

 

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これまた古いけど美品のコンタックス2を出してきた。

撮影までの儀式が必要だが、ピント合わせがとても正確できれい。

 

 

 

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説明を聞きながら丁寧に触れて、シャッターを切らせてもらう。

ネズミ鳴きという聞いたことのないチープな音で、時を写す。

 

う〜ん、このままだと中村さんのときのように、

3時間居そうになったので. 笑  ここいらで おいとましよう。

 

 

 

 

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ANALOGRAPHICS

PENGUIN GRAPHICS

 

昨年末から、妙にペンギングラフィックス 中村さんに会いたくて

でもなかなかタイミング合わず 年が明け、2月頭に行こうと決めつつ

またタイミング合わず( こちらが一方的にダメだったん. 笑 )

やっとご挨拶に伺えた訳です。

事務所も久しぶり〜、ここは未だに ちょっと緊張する。

緊張すると言いつつ、3時間ぐらいしゃべってしまったけど. 笑

 

ペンギングラフィックスは今、やっと自社の HPを制作中らしいので

( と言って何年か経つ. 笑 中村さんには必要ないと思うけど )

とりあえずこのサイトにて紹介されている、中村さんの

グラフィックデザインへの向き合い方など参考に。読み応えあるよ。

 

「と、つくる 」より totsukuru.jp/products

 

 

 

 

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ここ来るといつも最近のお仕事など 見せてもらう。

また H-ADCで、グランプリ取りそうな作品が上がっていた。

これは一目瞭然、素晴らしいデザイン。一応、同業者として制作意図や

ストーリーなど聞かせてもらった。これが勉強になるのよ、

制作過程における、一流の職人ならではの 生フィードバック。

 

例えばこの右のチラッと写ってる「木」ってあるのは

「 山根木材 110周年記念誌 」   home-yamane.jp

これはマジで感動モノの印刷物だった。写真がこれしかないのは

彼の話を聞いる私が感動してたから…    言い訳だけど. 笑

 

ペーパーレスが加速しているこの時代に、こんな仕事があるなんて。

これはすっごい仕事が たまたま中村さんとこにきたのではない。

彼のスキルが その制作するモノの目的を見極め、そこからクライアントを

鼓舞し、ここまでのクオリティが必要だと導いているからだ。

 

広島でも一流のカメラマン、ライターと組んで 長い時間をかける。

要求した印刷も製本も、広島の限界をちょいと超えている。

 

 

 

120年を迎えた企業にとって

後世に残すべきものを作っている。

 

 

 

 

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またペンギンさんといえば、大名詞でもある盆栽の意匠もさりながら

「 BONSAI_中村屋 」としてのお仕事も忙しそうだ。

盆栽は生きモノだからね〜 一昨年の盆栽展も懐かしく感じる。

 

 

 

 

 

 

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中村さんとは同い年、でも学年は彼がひとつ上になる。

お互い事務所を開いてから 20年を終えたけど、広告業界から

離れた私から見ても、ペンギングラフィックスの活躍は凄まじかった。

唯一付き合いのあった有名代理店の営業が、コンペでペンギンが来たら

勝てたことがない〜と、ボヤいていたのを よく覚えている。

ずっと広島の広告賞は総ナメという印象だったし、毎年上位の常連で

もちろん今も トップランナーであることは間違いない。

 

そのグラフィックデザインが優れているのは 当然ながら

対象物のコンセプトをとことん深掘りして、ウイットに富んだ

アイディアをさりげなく構築している。思わず クスッとなったり

妙にキュートだったりする、熱のあるデザイン。

その作業量、作り込みも細部まで一切妥協がないのに

とことん洒落が利いているというか、そこが本骨頂なんだよね。

 

そんなこんなで 20年。

中村さんが制作してきた、数多くのグラフィックデザインが

広島のブランディングにおける クオリティとその対価の底上げに

貢献していると思う。

 

 

 

 

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そんな広島1 ストイックなデザイナー夫婦を、17年間癒してきた、

福社長ことトイプードルのテディが 昨年末、亡くなった。

49日ぐらいなら、少しは落ち着いてるかなと思って来たけど。

 

奥様より ふたりの絆が感じられる、

いい写真をいただいた。

中村さんのシャイなところが、よく映っている。

 

 

 

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子供のいないご夫婦にとって、職場でも家でも

ずっと一緒だった温もりが、ふたりのもとから居なくなる。

奥様も言ってたけど、テディロスは

まだまだ長く 続きそうだ。

 

 

追記 

このblog載せて後日、奥様より HPできたよ〜との報告あり。

素晴らしい作品たちをこれでもかと堪能できる。

 

penguin-g.com