今年もうちにとっては夏の風物詩、藤堂眞子 バレエアカデミー発表会がやってきた。
今年はなんと創立20周年。第16回目にして記念すべき日を迎えられる。
チケットやプログラムのデザインキーワードは、先生の要望でトゥシューズをテーマにすることになった。
5歳からバレエをはじめてから今日まで、ほんとバレエだけの人生だったという先生。
子供用のトゥシューズに、20年間 教室を続けてこれた想いを重ねていた。
スタジオで何枚か撮影してみたが、これが意外とムズイ。 色が淡く素材が光っていて、いまいち立体感がでない。
トゥシュ−ズと言えば、この業界ではテッパン素材。よくキービジュアルとして使われるけど、私にとっては
このデザインを越えるものは観たことがない。 広島のグラフィックデザイナー grab 山田くんだ。
彼はあのペンギングラフィクス出身。広島の中堅デザイナーの中では、もっともリスペクトしている。
以前から彼がつくる エロかっこいいデザインや、多才なライフワークには惚れていたが、
このポワント(トゥシューズ)のポスターは、いま観てもすごいと思う。一見シンプルなグラフィックだけど
これが細かいところまでほんとよく凝っていてきれい。
広島で 30代前半で、こんなデザインをする人がいるんだなと・・・
バレエへのこだわりの深さ、デザインとしての完成度の高さもだが
この トゥシューズを購入するくだりは、その想にどれだけ費やしているか、よくわかる。
(SHOP でかなり冷ややかな眼で見られたという、後日談もすばらしいかった・笑)
今回はなんと男性ダンサーが6人も参加。常連の王子らしい王子(笑)青木さん、末原さんはもちろん
東京、大阪から、若手では有望なダンサーが駆けつけてきて、先生の20周年に華を添える。
広島のこんな小さな教室の発表会に、
エチュードのラストに揃い踏み
みんなが飛べば圧巻だった!
それと今回は、各男性ダンサーがそれぞれの
パートナー役の生徒さんを、手とり足とり指導していた。
もちろん今までも 息を合わせるために
リハを重ねてはいたけど、ちょっと違うんだよね〜
逆に先生があまり怒って出てこない? でもこれは
生徒さんにとってはラッキーだったかな。
そんな きつい練習が終われば 普通の小・中学生、かわいいです。
藤堂先生、珍しく笑ってる。
リハーサルの段階で、こんな笑顔の写真は
まず撮れない(笑)
じつは今回の舞台、7年ぶりに
先生がステージに立った。
もとはここの生徒さんで、ドイツで活躍している
山本誉司くん振付の 創作ダンスを踊った。
ほんの5分ぐらいだったか・・・
暗いステージに先生がゆっくりと歩きながら、
シルエットで浮かび上がってきた時、
涙が自然と込上げてきた。止まらなかった。
白い、何の飾りも無い衣装。振付は地味で
ゆっくりと ただ淡々と、刹那に過ぎて行く感じ。
レクイエムのような音楽。
冥土のような暗いステージに地平線が光り
とても細くて小さい先生が消えていく・・・
涙が出たのはきっと、去年亡くなられた
先生のお母さんに、私が感情移入してるのかなと
思った。でもそうじゃない。
なんか先生の想いが、遠くの舞台から
迫力となって伝わってきたんだと思う。
7年前、先生が踊るのを観て 人が踊るってのは、こんなにもすごいんだと思った。
体を使って、ここまで表現できるんだと感動した。
この日、人が踊るのを観て、はじめて泣いた。
先生、発表会の成功、おめでとうございます。お疲れさまでした。
そして、ありがとうございました。
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