料 理 の 理 。
kantyukyo  2018.11.29 Thu

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kantyukyo

先日、MIRAI の西中くんと伺い、観てもらってから

いよいよ 閒中居(カンチュウキョ)で食事をいただくことに。

初めてここで食事したのはもう 6年前。ほんとなつかしい。

この日を楽しみにしていた。

 

kantyukyo.jp

 

 

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ほぼ蝋燭 一本の灯りで、食卓を照らす。

 

 

 

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まずはワインを一杯のみ。

 

 

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店主が選んだのは、信州の井筒ワイン。

香りもすっきりとしていて飲みやすい。

 

 

 

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水も美味しい。

この日の朝、店主自ら山で汲んできたものらしい。

料理もすべてその水で調理する。

 

 

 

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まずこれが出てきた。中にはフレッシュチーズのような

どこのチーズ?と思ったら、「蘇」(そ)らしい。

店主が再現した、醍醐(だいご)とでも いうべきか。

牛乳だけで作られる、醍醐味の語源となってるもので

そのレシピがないから、現代では再現できないとか。

 

ちょっと濃厚でミルキィな味わい。口の中でホロホロと

儚く溶けていく。とても美味しい。

 

 

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前菜は冬の畑のサラダ、みかんのドレッシング。

店主曰く、野菜も紅葉するものだから。

契約農家さんの畑で 集めた野菜と、大崎上島 中原農園さんの

有機柑橘で作ったドレッシング。

 

ふと畑の匂いがした。

 

 

 

 

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そしてこの「 海のスープ 」 が出てきた。

個人的にはこの日 この食卓で間違いなく、一番の料理。

 

 

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以前、トリコというふざけたアニメで(めちゃ面白かったけど)

センチュリースープという、一世紀に一度しか拝めない

天然のスープというのがあった。

飲んで思わず「 海のセンチュリースープ 」と

言ってしまったけど(笑) このスープだけで

例えようのない感動を味わってしまったから。

 

 

よく見たらわかるけど、スープが二層になっていて

温度も食感も違う。

それが口内で混ざり、染み込んでくるような味わいに。

 

店主曰く、幾度と仕込んでいくうちに

ようやく理想のものに、たどり着いたらしい。

 

 

 

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刺身は水イカ、ねっとりとして甘く美味しい。

手前の小皿には醤油を。右は自家製海苔佃煮で、山葵と混ぜて頂く。

 

 

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西中くんは日本酒を。味わいのある盃が4種出てきて

徳利は明治期のアンティークガラス。

 

 

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香茸、舞茸、椎茸の炒めもの。香ばしく甘く苦い、味わい。

 

 

 

 

 

 

 

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根菜でさつまいも、蓮根、牛蒡の揚げもの。

茄子の花と人参の葉を添えて、味付けは ほとんどない。

素材の旨味、甘み、香りと食感のみ。

 

 

 

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そして〆のごはんとお汁。 味噌汁は合わせで、西中くんも

とても気にいったみたいで お代わりしていた。

彼は言うまでもない、広島 IT業界 1の食通でも有名。

その若さで飲食店 1000店以上をベンチマークした経歴をもつ。

起業した MIRAIはその特異なワークスタイルで 注目されている。

 

とにかく彼の視点と個性、経験からくる 提案や攻め方が

今とてもおもしろいのよ。

 

mirainohajimari.com

 

 

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月並みなんだけど、お焦げがとても美味しい。

二人でお櫃のご飯を、遠慮なくすべて完食(笑)

まったく美味しいごはんに、おかずは要らないね。

 

 

 

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デザートは柿のジェラート。柿の葉が乗ってた。

もうこれはほぼ、柿です。

柿より濃厚でねっとり甘い、でもさっぱりした後口。

 

ごちそうさまでした。

 

食事が終わり、西中くんに感想を聞いたら

どの料理も、初めて食べるものだったと。1000店で食しても

これが美味しいとか、不味いとか評価できない。

 

彼もこの料理について質問や、

料理人としての経緯など聞いていたけど

店主で kantyukyoオーナー、よしかさんの想いとして

印象的だった言葉。

 

私には「 料理 」という言葉は必要なく

「 理 」という一文字で充分だということが

ようやくわかった・・・

ということ。

 

 

 

 

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二人して感慨深く外へ出た。この写真だけ i Phoneね(笑)

 

いつもながら、こうして 1ヵ月前の写真見ながら

その時の感情を思い出しつつ、綴っているんだけど

正直、内容を記録することに、さほど意味はないのよね。

 

ただただ、おもてなしされて

朗らかであたたかい気持ちのまま

この日は終わった。