本物とは。
Locanda del cuore 2021.11.05 Fri
Locanda del cuore
もう20年来、愛媛松山には幾度と出張してるけど
この「 ロカンダ デル クオーレ 」という店名を、何度か耳にしていて
それが今年、あのポリポのツンデレシェフが珍しく来店して
SNSでベタ褒めしてたのを見て、これはもう行くしかないね。
ちょうど出張で前泊することになったんで、予約してみた。
行ってみると松山とはいえ、いつもの鷹の子からさらに奥地へと
けっこうな郊外で、イタリア人が来日して描いたという壁画が目印。
夜の松山に、なかなかの違和感で素晴らしい。
ファサードもアットホームな雰囲気もあり、あたたかい。
扉開けてすぐ右手には、イタリアから取り寄せたチーズやハム、
サラミなどがこれでもかと。どれも見たことない ものばかり!
そして店内へ。ガランとしていて、でもあたたかい納屋のような空間。
キッチンの壁にあった窓を塞ぐために、寄せ木をはめ込み
イタリア地図をペイントしてある。
オーナーはちょっとイカツイけど、繊細なオサレさん. 笑
以前イタリア人アーティストが滞在して、描いてもらったという壁画。
オーナーはイタリアに長く暮らしていたらしく、ずっと交流も盛んだとか。
使ってるパスタがきれいにセンスよく、ディスプレイになっている。
多分この麺も売ってくれるんじゃないかな。
これ、かわいいなぁ…
壁の落書きもとてもいい感じ。
コロナ禍でこの10月から一日限定 2組まで、予約のみにしているらしい。
この夜は私たちが1組目で、帰るまで他の客は来なかったけど、
この11月はもう予約でいっぱいだって。狭い店内壁画の下の
一番いい席に座らせてもらった。
こだわりのパンと骨太のグリッシーニ。
前菜はアンティパスト盛り合わせに、サラミとハムをつけていただいた。
とにかくオリーブオイルが多彩というか、何種類あるんだろ?って
料理ごとに何本か用意して、選んだらシェフ自らかけてくれる。
テーブルにも最初から 4本、置いてあるし。
まずこの単なるアンティパストに驚かされる。シェフが淡々と
説明してくれるけど、自家製のものと契約しているイタリア野菜は
とにかくこだわりがハンパない。どれも広島でも
食べたことあるようで、なんか違う。
どれも素材の味が濃いし美味しい。
ホテルからタクシーで来たので、久しぶりにしっかりと
ワインを味わった。
最初のパスタはシェフのおすすめを、麺も入ったばかりの
極太の珍しいものだった。
アル・ポモドーロ 生トマトとオリーブオイルだけの、素パスタのレシピ。
ポモドーロもすぐ近所の農家で栽培しているらしい。このポモドーロだけの
パスタって人生で 2度目だけど、これは間違いなしに美味しい。
太麺の食感、アルデンテもギリギリだった. 笑
この写真で見るよりボリュームは十分。
これは感動するよ、素材感が口内にガツンとくる。
なるほど、評価の高いリンクも多い訳だ。
2皿目のパスタの前に、お口直しのチーズ?ではありませんね。
チープすぎる国旗がかわいい。
出ましたカチョ・エ・ペぺです、しかもリガトーニ!
シェフが先ほどのチーズをこれでもかとかける、かける。
これも美味しかったなぁ。ボッテガ29のとは また違って素材感というか
チーズよりもパスタの風味と食感が強い。
でもガッツリ削ってんですけど!笑
メインも食べたかったけど、相棒さんのお腹がすでにギブアップ!
マジか〜 残念だけどデザートに。ごちそうさまでした。
サフランのリゾット、トリッパと豆の煮込みも食べたかったなぁ 。
すべてが素晴らしいイタリアンだった。
これはすぐリベンジしたいなと予約しようかと思ったら、すでに今月〜
12月ももう 埋まりつつあると。なので来年は早々に行きたいね。
そうだ、タイトルの「 本物とは。」
このロカンダさんが食材にこだわり過ぎるぐらい こだわり
毎年イタリアで過ごして、その秀逸なレシピで調理するから
本物のイタリアンだ! と いう訳ではない。
よく食通の人や、向こうで住んでいた日本人が
「 ほんとのイタリアンはこうじゃないのよね〜」って
語ったりする。どうでしょ?
本物が食べたいなら、イタリアに行くしかないのでは。
どんなに食材を取り寄せ、それをイタリア人シェフが調理しても
100%の本物だと言えないんじゃないかな。
以前、東京でお店を開いているイタリア人シェフが
日本で調理するなら、日本人の口に合うイタリア料理を作りたいと
言ってたけど、この日のお料理はまさにそんな
イタリアンだと思った。
grazie!!!