死を想え。
Memento-Mori 2022.12.03 Sat
Memento-Mori
藤原新也写真展 「 祈 り 」
先日の日曜美術館を見て、東京に行かねばと思っていた。
ちょうど京都にも観たい個展があるので、ベンチマーク兼ねて出張。
新幹線を降りたらまっすぐ世田谷美術館へ。
artexhibition.jp/topics/
artagenda.jp/exhibition/
久しぶりの東京、頼りになるナビは勝どきのタワマンにお住まいの
わが妹、琴美さん。いつも助かります、ほんと。
今回はあえてカメラは置いてきた、すべて iPhone撮影です。しかも11. 笑
世田谷美術館。けっこう古い建物だけど、ところどころモダンな意匠で
86年開館らしいけど。世田谷でもちょっと遠くて、しかも
とても大きな公園内にある。
中途半端な時間にきたので、館内のカフェ?でランチ。日替わりの
和風ハンバーグ定食にしたけど、なかなかおもしろいモノでして
妹はかなり引いていたけど. 笑 味は悪くないよ。
さてランチを美味しく頂いたら、いよいよ写真展へ。
土曜日だから人も多いけど、なんと著名人4名の写真を除いて、
撮影OKとのこと。時流だね、SNS拡散してほしいよね。
写真だけじゃなく、書や絵画もある。どうもアーティストが描くと
こんな激しい感じになりがちだ。あまり好きじゃないけど
藤原新也さんだとやはり迫力がある。それに自由を感じる。
まずはやはり「 Memento-Mori メメント・モリ 」から始まる。
二十歳の頃、勤めていたデザイン会社の( と言っても社長夫婦と私だけ )
社長よりこれを読みなさいと「 メメント・モリ 」の写真集と
有名な著作「 東京漂流 」を渡された。
メメント・モリはとても衝撃的な写真集で、1983年に出版されているから
私が高 3のときかな。
「 ニンゲンは犬に喰われるほど 自由だ。」
特にこの死体を犬が食べてる写真が有名だけど、私にはもっと強く長く
印象に残ってる写真と言葉がある。
これもすごい写真だなぁ。それにしても 50年前のフィルムから
これほどきれいに大きくプリントできるんだね。
レタッチの技術もさりながら、ほんとすごいわ。
これもいいなぁ〜 どこかしら... 山本さんの写真にも似ている。
こんな古い写真まで展示されていた。
これも好きだなぁ。ピンはブレてるけど逆に神秘的な。
一見演出的だけど、藤原新也はヤラセはない。
ポラで撮られたチベット民族の人々。どの表情もエネルギーに満ちていた。
つい最近の写真まであって、これは香港の「 雨傘運動 」
そしてその女神と言われた周庭さん(アグネス・チョウ)
なんとも緊迫感半端ない 1枚。
でもこんな写真もあるんだね、ちょっとびっくりほのぼの。
瀬戸内寂聴さんとの交友関係は有名。直筆の手紙など展示してあって
お二人の絆を感じて偲ばれる。
この写真もとてもいい表情で、あちらの世界で待っているようだ。
その寂聴さんにも「 死ぬな 生きろ 」の書を贈られている。
50年分の写真から、時代を追って代表作を展示していたけど
会場のあちこちで藤原新也さんの、息遣いのような緊迫感があった。
私にとってはポートレイト撮影のルーツであり、バイブル的写真集
「メメント・モリ」と同じく、展示されている写真と それに載せられた
彼のメッセージが、重く残る。まさに「 祈り 」だった。
唯一撮影禁止だったのは 肖像権の関係だろうか、STAP細胞で
有名になった小保方さんや、芸能人では山口百恵や指原莉乃など
さっしーのポートレイトはとてもよかったので、SHOPで売られていた
雑誌「SWITCH」を思わず買ってしまった. 笑
多摩美術大学
世田谷美術館へ行く前に、ちょっと寄り道して「多摩美」へ。
ここは八王子に移る前の 上野毛キャンパスで、妹は 18年ほど前に
ここで 4年間、夜間で学んで卒業したらしい。
彼女にとっては とても思い出深い学舎へ。
当時はなかった食堂?カフェのようなお店があったり、演劇用の
大きなスタジオが建っていたりと、様変わりしていたけど
通い続けた古い校舎もそのままに、歴史を刻む佇まいだった。
30代後半で毎日、仕事終わりに ここまで来て学び、深夜に帰る。
そんな話を聞きながら、とてもキツかった日々が彼女にとって
ほんとに充実していたんだなと思った。