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2011.05.20 Fri

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今回、アート三昧ツアーのメインディッシュは

高松にあるイサムノグチ庭園美術館に行くこと。

ずっと夢だったのでうれしいな〜 

 

去年の札幌モエレ公園といい、ノグチ運がいい(笑)とはいえ

この美術館はハガキで予約しないといけないし

おまけに週3日間のみ、1日3回の開館だけ。しかも

香川の山の中で簡単には拝めない訳です。

だからこそ、ファンとしては絶対行きたいのよ なおさら。

 

 

 

 

 

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で、高松に着いてから2時間は空いてたので、思いつきで市内にある有名な 栗林公園(りつりんと読む)へ。

行ってびっくりですよ〜 でかい!すごい!! ま〜セントラルパークも都会のど真ん中になんで〜っていう

サイズだったけど、人口や面積比でいえばそれぐらいでかいんじゃないの。公園のために山が丸々一山管理されてるんよ。

よかった〜ここも見れて〜(公園半分だけど・笑)

 

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公園内の掬月亭にて、お茶ないとたしなんで。

 

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気持ちいい時間はあっというま。

 

 

 

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さて、公園をいそいそと後にして

迷いながらも着きました。ワクワクです・・・

これは受付と書籍など売ってる待ち合い所です。

 

 

 

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中はもちろん撮影禁。

 

 

あたりは切り出したままの巨石が無造作に積まれてます。

イサムノグチが晩年、ほとんど過ごしていた自宅も

そのまま保存されてます。

 

 

 

 

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1時スタート。この円形に積まれてる石垣の中が元工房で、全てが生前当時のそのままに

保存されていた。美術館ガイドの想いのこもった説明を聞きながら自由に、ゆっくりと観てまわる・・・

 

 

 

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彼の代表作「エナジーヴォイド」

 

もっとも見たかった、このために来た。

視界に飛び込んできたとき

ほんと久しぶりに言葉を無くして

息をのんだ。

この写真なんかではまるでわからない

生きてるような、存在感というか

まるで動いているような。

 

悲しいとか、うれしいとかじゃない

涙が出てきて、しびれてた。

 

この目の前に長椅子があって

座ってるとなんともいえない心地になる・・・

 

 

 

ちなみにこの大きな蔵も

イサムノグチ本人がこのエナジーヴォイドを設置するために、探して移築したもの。

ガイドさんにいろんなこと質問して、観て、また質問して、何度も観て

すぐ終ってしまいました。

 

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ガイドさん、ありがとう・・・

 

あなたノグチの女か?(笑)ってぐらい詳しく細かいことまで

教えてくれて。

この人がどれだけ惚れ込んで、ここに在るか わかる。

ちょっとうらやましいな。

 

 

 

 

 

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名残り惜しくてカメラを向けたら

イサムノグチがアメリカから苗木を持ち帰り

彫刻庭園に植えた樹が見送ってる。

 

彼の、お母さんとの思い出の樹。

 

 

 

 

 

東洋と西洋のみならず、美術界のあらゆる境界線を超越した独特の作風の根底には、イサム自身が抱えていた

「帰属の不確かさ」がある。

1904年、イサムは米ロサンゼルスで生まれた。父は著名な英語詩人、野口米次郎。母は米国人レオニー・ギルモア。

だが、父はイサムが生まれる直前に母子 を捨て日本に帰国。戦争で排日機運の高まる中、母と日本に渡ったが、

父は別の日本人女性と結婚していた。

イサムは日本でも屈辱的な差別を受ける。米国で排除され、日本にも居場所がない。

 

「愛情や憎悪はどこに向ければよいのか」

「安住の地はどこなのか」

イサムは終生「帰属する場」を求め続け、その思いを作品にぶつけた。

 

 

                                 イサムノグチ 宿命の越境者(講談社文庫)