20年分のホコリ。
EZU design works  2020.08.03 Mon

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EZU design works  2020

 絵図屋

 

1998年に独立して、今の事務所を開いたのが 2000年。

2010年に法人化してこの HPも開き、事務所移転をたくらんでいたけど

10月に両足骨折して入院。  時期じゃないんだなと悟った。

 

あれからもう 10年になる。

 

 

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さすがに 20年ともなると、こんな安っぽい賃貸マンションで

壁紙は至るところでハゲているし、什器の傷みも目立つ。

もともと和室だから、襖は黄色に焼けてシミも汚いほど出てる。

なによりもこの鶯色の壁紙が重いのよね。

20周年だというのに、なんか気分が上がらない・・・

 

実は 20周年を記念して、個展かイベントでもしたいなと

昨年から動いていたけど、このコロナ禍で人を呼ぶのも

気がひけるし。

 

 

 

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おまけにこの北側の窓の向こう、駐車場なんだけど

4階建ての事務所が建つことになり、もっと暗くなるだろう。

 

そこでちょっと思い切って、せめて私の部屋は

壁紙だけでも貼り替えることにした。

 

 

 

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施工前日までにやっと荷物を片付ける。床板もすべて外して

20年ぶりに畳が出てきた。

 

 

 

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以前、住んでいたオンボロアパートでも敷いていた この床板は

畳の上に厚紙を敷いて、その上に板をはめ込んでいただけ。

板はオイルステン仕上げ、呼吸をするので畳からの湿気を調整する。

20年経つのにカビもほとんど無く、思ってた以上にきれいだった。

安物のカーペットとか敷くよりも、畳をちゃんと守っている。

 

 

 

 

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MAEDA HOUSING 

 

月曜朝一、さっそく施工が始まった。仕事がら店鋪施工や

職人さんとのつながりが多いので迷ったけど、今回はお客様でもあり

以前、TRITRAのお仕事でも たいへんお世話になった

マエダハウジングさんに依頼。

 

maedahousing.co.jp

 

 

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若い 2名の職人さんはとても手際よく、作業がめちゃ早い。

 

 

 

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なんと「まめでこ」開店のお仕事でもお世話になった、

マエダハウジング社長夫人、NORICOさんが現場検証に. 笑

今回無理言って、壁の配色とコーディネイトをお願いしました。

 

 

 

 

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それと玄関の壁紙もひどく禿げて、汚れも目立っていたので

この 1面のみ ビビットなグリーンに。

NORICOさんに事務所まで来ていただきコーデ、

各メーカーサンプルを たくさん取り寄せてもらい決定。

 

 

 

 

 

 

 

 

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完 成。Before→After!!

 

なんということでしょう!! チャラららら〜ん♬

(劇的ビフォーなんたらのBGM. 笑)

めっちゃ! 明るくなった。落ち着きのあるアイボリー色にしたので

ちょっと無難だったかな〜と思っていたけど。 

すごくいい。。。

 

 

 

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床板は 一枚一枚、オイルメンテした。

動線にあった痛みの激しい板を、窓際の家具を置くところに配置。

 

 

 

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下の畳は念のため、畳用ダニアースを注入して 5日間は部屋干し。

呼吸を妨げないようにボール紙を敷いて、板をはめ込んだ。

 

 

 

 

 

 

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入り口の襖には、壁と同じ壁紙を貼ってもらい、

 

 

 

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押し入れの襖には、このストライプの壁紙をチョイス。

 

 

 

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pizzeria  MARIO ESPRESSO  

 

じつはこの壁紙、1994年に開店した袋町のマリオエスプレッソで

使用した輸入物の残りだ。 事務所のプチリフォームに合わせ

押し入れや物置を整理し断捨離していたら、これが見つかって・・・

 

当時、マリオのマスター(現・池田会長)はもう尋常ないほどの

こだわりで店を創られていたからね。

これも自ら探しあて、やっと見つけたと聞いていたもので

ブルーのストライプがフリーハンドで描かれている。

このストライプのタッチをトレースして、ピッツァのテイク箱や

MARIO DESSERTのケーキ箱をデザインした。

 

 

 

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MARIO DESSERT  1994年の初期型パッケージより

富士見町店が開店するまで、マリオエスプレッソと同じ書体の

ロゴデザイン。

 

 

 

 

それとこの襖はダンボール製の安物なので、直に壁紙を貼ると

ひわったり、失敗するリスクが高い。

そこはマエダハウジングでも腕利きの職人さんらしく

一発で見事に仕上げてもらった。

さすが〜 広島リフォーム業界 No.1の仕事。

 

 

 

 

 

 

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とにかく視界が 360°明るくなって、気分がまるで違う。

もっと早く改装するべきだった。

 

 

 

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そうそう20年前に、こちらで付け替えたエアコンも陽に焼けて

黄色くなっていたので、壁に合わせて白くペイントしてやった。

 

 

 

 

 

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小さな本棚を処分して、普段使わないものは収納に隠した。

断捨離は思い切ってやるべし。

 

 

 

 

 

 

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玄関のグリーンもスッキリと収まったかな。ちょっと前に

流行ったカラーだけど、やっぱりいい感じに。

 

貼り替えない壁紙との接点は、ギャップが目立つので

塗装して馴染ませた。

 

 

 

 

 

 

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これだけでも驚くぐらい気分が上がる。引っ越ししたみたい。

それに片付けながらこの 20年を振り返りつつ、

感慨深いものがあった。

まぁこんな いいかげんな仕事の仕方で、しかもアナログで

ここまでできたもんだな・・・

怒らせたお客様も数知らず、でも明らかにおかげさまの

多くの人たちに助けられてきた。

 

仕事としてやってきたことには、それなりに

誇りをもっているけど、

ジジイになってまで デザイナーですって

そんな仕事ではないから。

 

 

 

ここにあと何年居られるか わからないけど、

20年前にこの部屋を見つけて、1年でも3年でも

続けられたらいいやって始めたデザイン事務所。

 

 

さてあと何年?

 

まずは環境もちょっと変ったし、

初心に戻ろうっと。