地に刻むように。
MARUBUN 小松本店 2020.03.09 Mon
MARUBUN KOMATSU
辻でパンをたくさん買ったら、昨夜の小松店へ向かう。
最後の撮影するために、これが見納めね。晴れてよかった。
四代目が帰り、全面改装して 28年。
外見はまだまだ使えそうだけど、中はもともと古い木造建築。
代々飲食店なので、特に水廻りは限界を超えてるだろう。
マルブンのすぐ横には、お遍路さんの 62番札所がある。
マルブンは初代・文吉さんが、お遍路さんの食事と
宿のお世話をするために開業された。
お店は伊予小松駅の正面にある。
隣の喫茶店?もぜんぜん変わらないけど、やってるのかな。
マルブンの設計・デザインは、
広島「カロッツェリアコーノ」河野さんだ。
この寸胴鍋とヤカン、オタマで作られた「マルブンパスタロボ」は
河野さんの力作。
足元のシェードは大きなフライパンの取っ手を曲げて作ってるね。
27年、ここでじっと立ってマルブンを見てきた。
彼はこのまま新店舗へ移設される。
そしてこの南側壁面だまし絵も見納めに。
94年の夏だったから、26年か。それにしてもよく保ってる。
当時のペンキで しかもここは陽当たりもいいので、すごいことだよ。
当時のことはよく覚えている、大変な作業だった。
2日にかけて 9時間ぐらいで描いたんだけど、ほんと!暑くて
死ぬかと思ったね. 笑
よく見たらサインがあった。95年だと思ってたら、94年だった。
当時、待ちに待っていたマルブン現場仕事で、二泊三日の
半分旅行気分で行ったの、覚えている。
これは先週、古い35mm フィルムを断捨離してた時に偶然見つけた
93年の正月に撮ったもの。
大晦日にバイクでソロツーリング、徳島にある日本一の大楠を観て
元旦に眞鍋さんに会いに行ったら、彼はゴルフ場で
うどんを売ってるらしく会えなかった。
なんか食べさせてもらえるかなと、期待は大きく外れ. 笑
お店の前まで出てきて、見送ってくれた由美子さん。
まだ小さなイッセーとせいなちゃん、由美子さんのお腹には
次男のダイスケがいた。
もう由美子さんは亡くなり、このお店も無くなる。
形有るものは、必ず無になる。
でもこの地に宿るものは、ずっとこれからも
受け継がれていくんだろう。
「地」は「血」なんじゃないかと想う。
この小さなイッセーが今や五代目、厨房に立って料理をする。
この年末には、また新しいマルブンが誕生し、いつの日か
イッセーの子が厨房にいるかも知れない。
マルブンは あと3年で
100周年を迎える。