さっそく、おうちで蝉への変身(羽化)させた。
こいつはアブラゼミ。もっともポピュラーなやつだ。
この時点で ♂ だとわかる。
う〜む・・・何度見ても、美しい。
実はというか やっぱりというか、私は相当な「虫博士」だ。なかでも蝉とトンボの生態にはうるさい。
小3のころからコリだして、蝉なら島にいる 主な6種類を羽化させた。
クマン(クマ)ゼミ・アブラゼミ・ミンミンゼミ・ツクツクオーシ(ホーシ又はボーシ)ヒグラシ・ニーニーゼミだ。
たとえば、羽化もこのアブラゼミと違って、クマンゼミやミンミンゼミは もっと美しい。
真っ白の羽がゆっくりとのびて 透明になっていく・・・神秘ですよ、すごいのよ。
夕方から島1番の蝉ポイントで採集、多いときは一晩で30匹以上捕まえて帰り、家で羽化させてた。
こんなこと言うと、また部家のことだから大げさに〜と思ってる方、ほんとのこと言うと
50匹も珍しくなかった(笑) 実は子どもながらに 蝉を保護してるつもりだった。
蝉は羽化する時が命がけで(変身する系の虫は全部そうだわね)とくに蟻にやられる。
毎晩、何匹かは蟻の餌食だ。羽化しながら喰われてる姿は、映画エイリアンを初めて見た時のような痛みがある。
昼間に 蟻の巣を見つけては 必死に壊してまわったけど、焼け石に水。
7年も地中で育ち 親になれても1週間の命なのに・・・子どもにとっては やりきれなかったね。
新聞配達やラジオ体操の帰り、蟻にたかられながら 飛び立てなかった彼らを 何匹、埋めてやったことか。
とは言っても、私も何も知らない子ども、最初のころは何匹も犠牲にした。
残酷なのも 子どもだからね。
羽化はとても繊細で、それでいてアクロバティックな技。ほんのちょっとのミスで
二度と羽は伸びなかったり、自らの力では殻から出れなくなってしまう。 きっと
命掛けだから 美しいのだろう・・・
前置きが長くなったけど、そんな部家少年はある日、とんでもないものを見つけてしまう・・・
「 セミタケ 」である
男の子なら昆虫図鑑などで 一度は見たことあるはず。キモくて何とも言えない、その虚しい姿。
冬虫夏草ともいう。漢方薬になるらしいけどね。今みたいに検索!ってないから、ずいぶん資料を探したけど
薬のことしか出てこなかった。とにかく怖いぐらい異様な出で立ちで、蝉の魂が具体化して抜け出てるような・・・
けっきょく4、5年探したけど 見つけたのは7本。全部ニーニーゼミで、蝉は何千といるのにめったに出ない。
ある、決まった一本の木の下にしか出てこない。標本をつくり、その木を徹底的に観察して
私は「セミタケ」の生える、メカニズムの仮説を立てた!!それは・・・・・
また来週っ〜 ってゆうか、長くなるので、もう帰りたいのよ。
ちなみに 「セミタケ」ちょっと検索したら出るわ出るわ・・・懐かしエグいので
画像は載せない、どうぞ御検索を。
さて、次の朝・・・朝陽を浴びて羽は硬化する。
いい蝉生であるように・・・
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